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第2章 開発環境の準備

KAG のダウンロード・インストール

 さて、ここでは KAG のダウンロードおよびインストールについて説明します。

 それでは早速、KAG を手に入れましょう。KAG は吉里吉里ダウンロードページから吉里吉里と一緒にダウンロードすることができます。このページは、W.Dee さんによって管理され、次のような構成になっています。


W.Dee さんの吉里吉里ダウンロードページ

 このページを下にスクロールしたところにある、ファイルへのリンク


ファイルへのリンク

をクリックすると KAG をダウンロードすることができます。
 β版がある場合は、そちらをダウンロードすることもできます。β版というのは "正式版よりも新しい物だが、動作が安定しているとは限らない" というバージョンです。もし不具合が見つかった場合は、公式掲示板に報告することでデバッグに協力することもできます。

 ファイルを保存する場所については、"マイドキュメント" や "デスクトップ" など、どこでも構いません。自分の使いやすい場所に保存しましょう。


 さて、ダウンロードが終了すると "kr2_222r3.lzh" というファイル(バージョンによりファイル名は異なります)が保存されています。この LZH という拡張子のファイルは "圧縮されたファイル" です。これを開くには、LZH 形式に対応した "解凍ソフト" が必要になります。"解凍ソフト" としては、+LhacaLhaplus などのフリーソフトが有名 * です。

 さて、無事に解凍が終わると、kag3, kirikiri2 というフォルダと、gpl-2e-plain.txt, gpl-2j-plain.txt, license.txt, readme.txt というファイルが展開されます。この kag3 フォルダの中身が KAG3、kirikiri2 フォルダの中身が吉里吉里2となっています。残りのテキストファイルは、マニュアルやライセンスなどが書いてあるファイルです。
 後から分かりやすいように、これらのフォルダ・ファイルは全て、「吉里吉里/KAG」というフォルダを作り、そこに入れておきましょう。


「吉里吉里/KAG」フォルダに入れておく

 これで、KAG および吉里吉里のダウンロード・インストールはおしまいです。

マニュアル類を読む

* "解凍ソフト" としては、+Lhaca、Lhaplus などのフリーソフトが有名
 解凍ソフトの使い方については、それぞれのソフトのマニュアルなどを参照してください。
 先ほど kag3, kirikiri2 フォルダ以外のファイルには、マニュアルやライセンスなどが書かれているという話をしました。KAG を使う以上、これらのファイルには目を通しておく必要があります。面倒でも一度は読んでみるようにしましょう。最低限、readme.txt, license.txt, kag3/readme.txt * , kirikiri2/readme.txt は読んでおかなければなりません。
 また、KAG に関するドキュメントは、kag3/kag3doc/index.html です。最新正式版のドキュメントについては、http://devdoc.kikyou.info/tvp/docs/kag3doc/contents/index.html にもあります。チュートリアルもついていますので、ぜひチャレンジしてみましょう。

デモの実行

 さて、マニュアル類は読めましたでしょうか。readme.txt を読んだ方は、

> 紹介用スクリプトは kag3/syoukai にあります。
> これを実行するには、kirikiri2 フォルダにある krkr.eXe を実行し、
> フォルダ/アーカイブの選択 のダイアログボックスで kag3/syoukai を
> 選択してください。

というのが気になられたかもしれません。今回は、この紹介用スクリプトを実行してみましょう。

 まずは、「吉里吉里/KAG」の構造についておさらいしておきます。"はじめに" でも述べた通り、KAG は TJS で書かれたスクリプトです。TJS というのはスクリプト言語で、"TJS で書かれたスクリプト" を実行するためのソフトウェアが吉里吉里です。吉里吉里は、皆さんが KAG と一緒にダウンロードしたやつですね。
 この構造のため、KAG は吉里吉里が無ければ動きません。論より証拠、早速やってみましょう。

 それでは、まず吉里吉里を実行します。吉里吉里というのは、"kirikiri2/krkr.eXe" ファイルのことです。


吉里吉里(krkr.eXe)のファイル

 ここで2匹の魚のアイコンのファイル名が、 krkr.eXe ではなく、ただの krkr になっている場合は、Windows の設定を変更することをおすすめします。
* kag3/readme.txt
 kag3 フォルダの中にある readme.txt というファイルのこと。こういった表現はこれから頻繁に出てくるので、覚えておくこと。
 コントロールパネルの "フォルダオプション" を開くと出てくるウィンドウの、"表示" → "詳細設定" → "登録されているファイルの拡張子は表示しない" のチェックを外す * ことで、きちんと表示されるはずです。

 それでは、この krkr.eXe ファイルをダブルクリックします。すると、"フォルダ/アーカイブの選択" というダイアログボックスが出てきます。
 ここで、"kag3/syoukai" フォルダを選択します。これが、紹介用スクリプトの入ったフォルダです。


"kag3/syoukai" フォルダを選択

 ここで大切なことは、吉里吉里では "スクリプトの書かれたテキストファイル" ではなく、"フォルダ" を指定することでスクリプトを実行するということです。まず、フォルダを指定すると、吉里吉里は、その中にある "startup.tjs" というスクリプトを1行目から実行していきます。syoukai フォルダの中にも、startup.tjs が存在することを確認できることと思います。この startup.tjs は、KAG の一部なので、KAG ユーザーとしては意識する必要がありません。しかし、

> "フォルダ/アーカイブの選択" ダイアログボックスで "シナリオファイル" を選択したら、エラーが出たのだがどうすれば?

という質問は、初心者の方に多い質問です。自分で開発を行うときにも同様の手順で実行しますので、"フォルダを選択する" ということは覚えておいてください。

 さて、"kag3/syoukai" フォルダを選択し、"OK" を押すと、紹介用スクリプトが実行されます。ここでは、W.Dee さんによる KAG の紹介を見ることができます。紹介内容についてはもちろん、メニューなども一通り選択しつつ "KAG がどのような動作を行うのか" を研究しておくと良いでしょう。


紹介用スクリプトを実行した


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* "登録されているファイルの拡張子は表示しない" のチェックを外す
 拡張子を表示していない場合、ウィルスに感染する危険性などが高まります。例えば、もし、ある実行ファイルが "フォルダのアイコン" であった場合、不用意にそのファイルをダブルクリックしてしまい、ウィルスに感染してしまった、などということが起こりえます。これも、拡張子を表示する設定にしておけば、ある程度は回避できるはずです。

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